更新日時で差をつけろ

むしろ差をつけられている

筑波GLP(香港)に参加した

筑波GLPに参加して一週間香港に滞在したのでその感想を覚えているうちに書いておく。…つもりだったが帰国してから1ヶ月以上経ってGWに整えた。

出発

羽田空港から出発。ずんだシェイクエクセラがおいしかった。SecHack365の山形回を思い出す。バスの運転手さんも外国人相手に大変そうだ。"have your seat"の発音がやたらと上手だった。数時間を飛行機で過ごす。テキサス時差はすでに解消されていたようで寝なかった。JALのいいところはJAL名人会だと思うんですよ。

香港の空港に着陸。とりあえず何か買おうと思ってセブンイレブンで豆乳と思われしものを買った。まずかった。500mlより一回り小さいペットボトル飲料は$11.5なので日本よりちょっと高いぐらい。

↑Tencentの広告がある。

他の人と合流してバスでホテルへ移動。高速道路には英文・中文両方の文字サイズに合わせた電光板が設置されている。窓の外からは空港とビルしか見えない。農地も工場も一軒家もない。香港のビルは1F(イギリス式なので本当はG/F)が店でそれより上がアパートになっているケースが多い。

↑汚いビルと綺麗なビルの差が大きい。日本のオフィス街のビルのように空の色を反射してビルが青色に光っていない。ほとんどがパステルカラーの壁面から小さな窓が顔を出しているのみ。海が近いからだろうか、ガラス張りのビルでも汚れて黄色くなっている。建築中のビルも多く見受けられたが、足場が鉄骨ではなく竹で組まれている。

バスを降りると目に湿気が入る感覚がする。すぐ慣れた。

生活

HKU(Hong Kong University : 香港大学)の学生以外には英語は通じないと思ったほうがいい。お店の人に英語でトイレの場所を聞いたら理解できなかったのか不愛想に返された。

昼食はだいたい大学に散在する食堂でとった。Chongqing(重慶) Rice Noodleはチープな味がした。自分が無理やり辛ラーメンを作ろうとしたらこうなりそう。U-Deliカレーうどんは普通に日本食だった。割安だった。ケバブは辛くて結構大きい。一般的なSUBWAY等のチェーン店も出ていた。コーヒーがデフォルトで甘い。かといってそのデフォルトに変更を加える語学力もない。

夕食はあまり摂っていなかった。たぶん疲れすぎていたんだと思う。最終日は有志で近くの店に夕食に行った。中華を食べた。「中国」料理とは書いてなかったけれど、「中華風味」と看板に書いてあったので中華であることは間違いない。

↑出前サービスのdeliverooのシールが貼ってあった。他の店にも貼ってあって普及しているのがよくわかる。

新しめのトイレにも和式便所があった。でもこれは「和」式なのだろうか。表記を見てくるのを忘れてしまった。そういえば空港で買ったお茶には「港」式と書いてあったなあ。

この香港ツアーとして設定された日以外にも学校が終わってから夕食のついでにスーパーマーケットに行ったり周辺を散歩したりした。スーパーでは日本語がよく見える(Wellcomeと後述するYATAに行った)。というかスーパーのほとんどが日本語が書かれた商品を取り扱っている。中には日本で知られてないものも日本で有名なフリをして進出している。スーパーの時給が600円ぐらい。物価は日本と変わらない(HKUの教授曰くいろんな経済階級がいるので物価にもバリエーション?があるらしい)。

Cyberportへの標識を見つけた。他の都市でいうITパークみたいなものだろうか。行ってみようかと思ったが日が傾いていたのでやめておいた。車道をテスラがちょくちょく走っている。

↑公園が高層ビルに囲まれて存在している。瞑想したり運動したり。

企業訪問

事前に訪問する企業について調べてレポートにまとめて提出していた。

@cosme

入居するビルの入り口でWestern Union中国支店の激しいネオンがお出迎え。現地法人の代表の方の話を聞いた。日本人。マーケティングの話かと思ったら「若い人へのメッセージ」のような内容だった。人生における点と点が繋がって星座になっていて、その星座がどんな形になるかは後からじゃないとわからないとおっしゃっていた。どこかで聞いたことがあったけれど、それだけ広く受け入れられている例えだとわかったのでよかった。

そのあと同じビルにある実店舗を見学。日本の商品がほとんどなので、現地の顧客にもわかるように広東語のPOPが数多く貼られている。化粧品の気の遠くなるような匂いは相変わらずだ。

おもしろ日本語の宝庫だった。こういうのが好きなので店中の棚の日本語を探っていた。あとから聞いた話だが、彼女にプレゼントする用のコスメを熱心に探していると勘違いされていたらしい。勘違いされたのはこっちなのに、なんだか申し訳なくなった。

YATA

次は西友が香港に進出してできたスーパーマーケット・百貨店のYATA。騒がしくて説明はよく聞こえなかった。日本の商品が普通に売っているが、モノによってはそんなに高くない。ラーメンの種類がやたらと豊富。蒙古タンメンは置いてなかった。

講義

↑これを撮ったためにオタクがバレた。

香港英語の洗礼を受ける。聞き取れないというほどではないのだけれど、アクセントが中国語っぽい。Globalization, China, Presentation, Creative Industriesについての授業がそれぞれ休憩込みで3時間ずつだったかな。いかつい感じなのかと思ったら全然そんなことなかった。まあ高校生向けのプログラムだしなあ。楽しかった。

学校は広いかつ山の斜面に建っていて高低差が激しい。上のほうからは市街地がよく見える。

イノベーション・起業のためのiDENDRONという施設があって、投資家と学生のマッチングをしているみたい。

他にも幼小中高(大?)一貫校を見学した。どの教室でもスクリーンを使っている。IT Clubはあったがそんなにガチっぽい感じではなかった。

↑教室の柱にあった落書き。「就考試!」定期試験が近いのだろうか。誰も見ないようなところばかりに目が行ってしまう。

観光

1日香港ツアーが用意されていた。ちょっとこの辺は記憶があいまい。順番が前後している。

ルームメイト共々絶起したので何も食べずに出発。バスには日本同様後ろの方に非常口がある。外からも開けられるようになっていて、「EMERGENCY EXIT」の下には「太平門」と書かれている。漢字と英単語のイメージが真逆の方角を向いている。

大きな川があって、そこの沿岸を歩いた。隙を見計らって近くの店でラーメンを食べてきた。早食いはグローバル社会の必須スキル。ブルースリーの彫像も見てきた。よくわからないオブジェがたくさんある。都市っぽい。大陸からの観光客が多い。

そこから香港貿易発展局(HKTDC)の建物や時計台を見てきた。ガイドの方が日本の有名人の名前を出しながら解説していた。そういう解説の手法だけ覚えていて、何を解説していたのかは忘れた。人民解放軍のヘリコプターが着陸するのを見ることができた。

黄大仙へ。有名なお寺らしい。すごく人が多かった。たくさんの人々が何かを拝んでいるのを見るとおもしろいなと思う。不思議な日本語の説明書きの通りにくじを引くと数字が出てきて、お店で数字に対応する札を買う。40円ぐらい。読めない。宗教的なスポットなので周辺には政治・宗教的な運動の人がビラを配っていた。

↑占いの店が並んでいる通りがあった。資格(!)を有する占い師しか店を出せないらしい。

↑長いエスカレーターに乗って市街地を上っていく。街並みがよく見える。昔は世界一の長さだったらしいけれどいまは分割されている。

イギリス統治時代に造られた裁判所と監獄がセットになった場所にも行った。建物自体は観光スポットとしては微妙だった。不思議な現代アートがたくさん置かれていた。店もそこそこ入っている。

エッグタルトなる人気のお菓子を食べた。昼食は飲茶+香港料理。夕食は日本人が多くて食器を扱う音がうるさい北京料理店だった。両方おいしかった。回るテーブルだった。

途中のお土産スポットなどで何度か自由時間を設けてくれていた。そういった場所はやはり観光客で賑わっているのだけれど、いったん地下に入れば閑散としていた。低い天井を支える両側の壁には店が並んでいて、営業しているものとそうでないのが半々ぐらいだった。蛍光灯がガラスを通って薄暗い店内を照らす。ショーケースに並んだルータや扇風機の箱の間から、雰囲気に似合わないスマートスピーカーやIoT機器がちらほらと顔を出す。日曜日だったので店を閉めていただけのようだ。うれしいような残念なような。

企業見学のときに乗った島と島をつなぐフェリーは10分弱。あれぐらいがちょうどいい長さだなあ。飽きない。働いている人の制服がよかった。大きなショッピングモールに入って昼食。WeChat Payが使えた。本屋は行きそびれた。SHIBUYA 109の支店があった。

また別の日にDialogue in the Darkという目が見えない人の世界を体験する場所に行った。光がないので何も見えない真っ黒な空間に杖を持って入ってグループ間とガイドとで助け合ってなんとか頑張る。フェリーに乗ったりものを買ったり食べ物触ったり。勉強になった。

↑初心者のフリをして煽ってくるタイプの大型車(もちろんこのマークは日本でしか採用されていない)。

日本人高校生との交流

まるで自分が日本人じゃないような書き方だが自分は生粋の日本人。高校生と交流することで2年間高専で過ごすということの重大さを思い知らされる結果となった。同じ日本人でも違う学校の人だったのがカナダ短期留学との違いだった。

  1. 帰国子女は英語が上手
  2. 小学校で見せられた「インターネット安全教室」のビデオの中でしか存在し得なかったはずの若い東京弁
  3. 普段のクラスと逆の男女比

T.K.O.(と書いてみたかっただけで、1と3のダメージはコーヒーがデフォルトで甘かったときとさほど変わらない)(2は慣れるまでつらかった)。

進学校生といっても案外そんなに勉強勉強してないな〜と思ったらホテルの部屋で微分してバスの中で世界史の資料集を開いていた。代わりに自分はLLVMメーリングリストを見ていた。学校の話ばっかりしている人がいた。受験近い人は大変だなあ。さすがにそういう話は馴染めないしどうでもよかった。東京の進学校の名前がわかるだけでも健闘したと思う。

班に分かれて期間中に議論して、最終日にプレゼンをすることになっていた。テーマを決めて、プレゼンの流れをどうのこうのという話を深夜1時ぐらいまでしていた。香港の映画についてのテーマだった。カンフー映画を部屋で集まって見た。そこまで暴力的じゃなかったのでよかった(いや結構暴力的だった気もするけれど脳が記憶を洗い流してくれたのかもしれない)。

女性4:男性1のチームだった。こういう国際なんとかという類のものは女性のほうが多いらしい。明石高専の同級生の知り合いがいた。彼は顔が広いなあ。

なんか自己主張が激しいなーと思った。良い意味ではいろいろと意見が出る。悪い意味では人の話に割り込んだり、行き詰まると口調がキツくなったりする。標準語で問いただされるのもなかなかコワいですね。こういう話し合いに慣れていないので面倒くさいな〜と思っちゃう。

こういうところからもグローバルな匂い(正確にはグローバル意識が高い学生たちの匂い)がする。議論を積極的にする風潮。経済系の雑誌で描かれているディベートクリティカルシンキングといったワードが飛び交う世界。それともたまたまそういう性格の人が集まっただけだろうか。まあこういうのに申し込む人やその家庭というフィルターは少なからずかかってるよなあ。SecHack365とはまた違った議論のやり方があって新鮮ではあった。

さらにこのプログラムは事後課題があって、あとからチームでいくつかあるテーマのうち一つについて500 wordsの英語でエッセイを書くことになっていた。メンバーの一人がその辺で拾ってきたキュレーションサイトを英語に翻訳して「これでいいじゃん」と言っていて出そうとしていた。他のメンバーはまあそれでもいいか、という反応をしている。頭の中の遵法意識がささやき始める(あと個人的なキュレーションサイト嫌いも発動した)。かつてレポートコピーで留年者を大量に出したマイコンの授業を思い出す(自分の学年ではレポートコピーはなかった)。

結局翻訳したそれを提出するのはやめさせた。グループで分担して書くのはどう考えても面倒だったので、自分でCPTPPについて調べて書いて出した。勉強になったのでよかった。自己満足に溺れていた。

みんなInstagramを使っている。Twitterなんか誰もやってない。アカウントを持っていてよかった。いや訳のわからないネタばかり投稿しているのでアカウントを交換した相手からしてみれば災難かもしれない。あとから見てみるとプライバシーを気にするわけでもなく参加者の集合写真を投稿している。そういう意識はどこで醸成されるんだろう。

帰国

空港の搭乗口に移動する途中本屋があったので寄った。オタク雑誌が置いてあったので寮のオタク向けのお土産にした。

CATHAY PACIFICの便に乗って帰った。機内の設備が先進的でよかった、新幹線みたい。座席に設置されているタブレットAndroidだった(画面の辺からスワイプするとそれっぽいのが出てきます)。客室乗務員のアナウンス中はちゃんと触れないようになっていた。


ここ数ヶ月は表情筋が痛むので笑ったら意識して戻すようにしていた。それが裏目に出てしまって怖いといわれてしまった。まさか成人する前に表情筋トレーニングが必要になるとは…